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「スパルタの海」幻の異色作~関西初公開

2008年5月4日(日)~6日(火・祝)


戸塚ヨットスクールを取材したノンフィクション小説の映画化。事件の余波を受け、オクラ入りした幻の映画がついに公開!
※この映画はフィクションです。現実の事件、原作のノンフィクション小説とは異なるところがあります。


「スパルタの海」
(1983製作/カラー/ヴィスタ/105分/デジタル上映)
監督:西河克己
出演:伊東四朗、小山明子、平田昭彦、牟田悌三、辻野幸一、香野百合子、横田ひとみ、山本みどり、塩田智章、粟津號、清水宏、岡本達哉、三谷昇、沢竜二、小林哲子、吉野佳子、山田スミ子、東恵美子
 
 
《掲載記事リンク》
MovieWalker 関西「【特別上映】4月19日(土)~、5月4日(日)~PLANET+1、神戸映画資料館 幻の映画「スパルタの海」、関西初公開!」



《寄稿》 肉体のアクションが熱く沸き立つ青春映画


山 根 貞 男 (映画評論家)


 西河克己の『スパルタの海』は清々しい青春映画である。見ているあいだも、見たあとも、爽快な風が胸に吹き抜ける。そう、素敵なアクション映画のように。事実、この映画では、だれもが暴れ回り取っ組み合いをくりひろげるから、全篇に肉体のアクションが熱く沸き立つ。反抗して不服従をつらぬく若者も、それに真正面から立ち向かう教官も、みんな必死で、気の緩みがない。清々しい風がそこから吹いてくる。そして、ここが肝心なところだが、ヨット操縦を教える者と学ぶ者との葛藤を描く画面は、一瞬も安っぽい情緒に流れず、緊張感にあふれつつ、快いリズムを刻み出して、見る者をドキドキさせる。そのあり方はまるで素晴らしい活劇のようではないか。少年少女は、いや、本人だけでなく、家族も、心も体も傷だらけで、狂おしい修羅を生きているが、それをヨットスクールの人々が、というより、大いなる海が、全面的に受け止める。映画ファン必見の傑作である。



《寄稿》 理不尽な仕打ちに耐えてきたまぎれもない傑作


木 全 公 彦 (映画評論家)


 映画『スパルタの海』が製作されてから今日に至るまでの状況は、まさに理不尽な歴史そのものであった。1983年に製作されたこの映画は、戸塚ヨットスクールを取材した上之郷利昭の同名ノンフィクション小説を映画化したものである。戸塚ヨットスクールは、当時大きな社会問題でなっていた家庭内暴力や不登校といった青少年の問題を徹底したスパルタ式のヨット訓練で矯正することで話題を集めていた。スクールの過激な指導をめぐる是々非々の議論は、単なる教育論にとどまらず、戸塚宏校長の強烈な個性とともに、マスコミにも大きく取り上げられ、多くの人々に強く印象づけられたはずである。
 それを映画にしようというのだから、その企画力には驚嘆するしかない。製作委員会方式の映画製作が跋扈し、誰もがスポンサーの顔色ばかり伺っている現在では失われてしまった映画本来のいかがわしさとでもいうべきか。プロデューサーはあの天尾完次。東映で石井輝男や鈴木則文と組んで痛快なエログロ映画を量産した男である。さすが時代を読む嗅覚は敏感なものがある。天尾は、監督に西河克己を起用する。吉永小百合や山口百恵の魅力を引き出し、アイドルから女優へと脱皮させることに定評のあるこの監督は、本人の長男も家庭内暴力と不登校を重ねる問題児童で、ちょうどその息子を交通事故で死なせたばかりであった。西河は亡き息子への贖罪を込めてこの映画を精魂傾けて作ることを決意する。戸塚宏を演じるのは伊東四朗。絶妙の配役である。期待に応え、伊東は生々しい実在感と迫力で戸塚宏役を怪演する。
 ところが好事魔多し。映画の公開直前、訓練生の死亡事故を受けて戸塚宏ら関係者が障害致死で逮捕されるという事態が起こったのだ。ここから映画『スパルタの海』をめぐる理不尽の歴史がはじまる。世間の良識派からの批判を恐れた東宝東和は、映画の公開を中止。『スパルタの海』をお蔵入りにし、封印してしまう。仕上げを担当した東映では「今公開すれば、確実に5億は稼げるのに!」と幹部が残念がったという。封切りの機会を逸し、以来二十余年『スパルタの海』の封印は解かれぬまま、〈ヤバイ映画〉という理不尽な噂だけが一人歩きしてしまった。2002年には逮捕された関係者の有罪が決定し、ますます映画の封印を強固にするかに思えた・・・。
 2005年、戸塚ヨットスクールを支援する会はこの映画の権利を東宝東和から買い取る。そしてようやく我々の前に姿を現した『スパルタの海』は、数々の理不尽な仕打ちに耐えてきたまぎれない傑作だったのである! 封印は解かれた。今こそ余計な夾雑物から切り離して、純粋な映画として『スパルタの海』を観ることができるはずだ。そしてこれがまぎれない傑作であると確信するだろう。今からでも遅くない。まだ間に合う。

小川紳介監督全作品上映その6

2008年5月9日(金)~11日(日)


ドキュメンタリー映画作家として世界的に著名な小川紳介監督の全作品を順次上映するシリーズ。3月から三里塚シリーズに突入しています。5月下旬には、『日本解放戦線 三里塚』以降、小川の助監督をつとめた福田克彦監督作品の上映があります。福田監督の遺著「三里塚アンドソイル」は是非お読みいただきたい労作です。


「三里塚 岩山に鉄塔が出来た」
(1972/85分/16mm)
監督:小川紳介
撮影:田村正毅

「三里塚 辺田部落」
(1973/146分/16mm)
監督:小川紳介
撮影:田村正毅

サービスフライデー(無料上映) 韓国映画特集vol.3

2008年5月


会員は優先的に、上映日の一週間前より入場整理券の電話・メール予約が可能です。

4月と5月は韓国映画特集vol.3として上映。
韓国の民主化運動が底辺を広げていった1980年代、民族の歴史を描いた映画には時代が投影されている。当時の映画人たちがスクリーンをとおして観客に投げかけたメッセージとは。

主催:新長田まちづくり株式会社
共催:駐日韓国大使館 韓国文化院
後援:長田区役所
協賛:NPO法人神戸定住外国人支援センター


5月16日(金)
「開闢」

(韓国/1991/146分/カラー/ビスタ/35mm)
監督:イム・グォンテク
出演:イ・ドクファ、イ・ヘヨン、キム・ミョンゴン

5月30日(金)
「一松亭の青松は」

(韓国/1983/130分/カラー/シネスコ/35mm)
監督:イ・ジャンホ

浪曲映画 戦前戦後の日本の肖像

2008年5月17日(土)・18日(日)


戦前から戦後にかけて流行したが、今では完全に姿を消した“浪曲映画”の魅力を探る。映画研究者の笹川慶子さんが浪曲(浪花節)映画の歴史について持論を展開。浪曲ファンならびに日本映画史に関心のある方は必見です。

「祖国の花嫁」
(1938/65分/16mm)
監督:伊賀山正徳
出演:村田知栄子、星ひかる、天中軒雲月


「婦人従軍歌」
(1938/45分/16mm)欠落あり
監督:田口哲
浪曲:萩原四郎、寿々木米若
出演:井染四郎、山本礼三郎、村田知英子


「新越後情話」
(1953/77分/16mm)
監督:石山稔
出演:羽島敏子、宗方規子、逢初夢子、高田稔、小唄勝太郎

福田克彦監督集 もう一つの三里塚

2008年5月23日(金)~25日(日)


小川プロが三里塚から山形に移ったあと、ただ一人三里塚に残って制作活動を続けた福田克彦。その集大成とでもいうべき映画が『草とり草紙』だった。若くして死去したあとも、三里塚では長年のパートナーであった波多野ゆき枝や個人映画作家の崟利子らが、小川プロが遺した膨大な三里塚関係フィルムの保存修復作業を続けている、みんなから愛された福田の人柄を偲んでの上映である。


「草とり草紙」
(1985/82分/カラー/8mm/16mm上映)
製作:波多野ゆき枝
監督:福田克彦
撮影:瓜生敏彦、福田克彦


「映画作りとむらへの道」
(1973 /54分/モノクロ/16mm)
製作:小川プロダクション
監督・編集・録音:福田克彦

神戸初上映「Blessed ―祝福―」

2008年5月23日(金)・25日(日)


定期的に東京で開催される上映会“季刊タカシ”で、真摯なファンを獲得している映像作家・崟(たかし)利子。彼女の原点ともいうべき代表作を神戸初上映します。


「Blessed ―祝福―」
(2001/78分/カラー/DV)
監督・撮影・編集・録音:崟利子

エイゼンシュテイン集

2008年5月31日(土)6月1日(日)


1898年生まれの、ロシアのソ連時代を代表する監督、セルゲイ・エイゼンシュテイン。代表作「戦艦ポチョムキン」と、激動の時代の中、制作に支障をきたし未完に終わった「ベージン草原」の2本立て。


「戦艦ポチョムキン」Броненосец Потёмкин
(ソ連/1925/65分/16mm/サウンド・英語版/日本語字幕無し)
監督:セルゲイ・エイゼンシュテイン(Sergei Mikhailovich Eisenstein)


「ベージン草原」
(ソ連/1937/30分/16mm/日本語字幕付き)
監督・脚本:セルゲイ・エイゼンシュテイン

最新のプログラム

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 予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。