プログラムPROGRAM
2008 6

2008年6月
発掘された過去 日本統治時代の朝鮮映画
会員は優先的に、上映日の一週間前より入場整理券の電話・メール予約が可能です。
韓国映像資料院は、2004年、日本統治時代に作られた劇映画「家なき天使」「志願兵」を北京の中国電影資料館の倉庫から発見し、さらにその1年後に見つかった「半島の春」「朝鮮海峡」と合わせ、DVDボックス「発掘された過去」として発表しました。この時代の映画の多くは紛失しており、朝鮮映画史の空白を埋める貴重な映像資料として注目されています。
今回は、韓国映像資料院の協力により、この4作品をDVDで上映します。映画の台詞は、韓国語(日本語字幕付)ないし日本語です。
主催:神戸映画資料館・新長田まちづくり株式会社
協力:韓国映像資料院
後援:長田区役所
協賛:NPO法人神戸定住外国人支援センター
6月6日(金)
「半島の春」

(朝鮮/1941/84分/DVD)
監督:李炳逸(イ・ビョンイル)
原作:金聖* *は[王民]
脚色:李炳逸、咸慶鎬
撮影:梁世雄
出演:金一海、金素英、徐月影、白蘭
朝鮮の古典「春香伝(チュニャンジョン)」の映画制作現場が舞台。金策に苦労し、一時は自暴自棄となったプロデューサーが、新人女優の力を得て映画を成功させる。
6月13日(金)
「家なき天使」

(朝鮮/1941/73分/DVD)
監督:崔寅奎(チェ・インギュ)
原作・脚本:西亀元貞
撮影:金井成一
出演:金一海、文芸峰、金信哉
京城(現・ソウル)の街に溢れる浮浪児を救おうと、ひとりの牧師が郊外にある農園の少年寮で子供たちを育てる。
6月20日(金)
「志願兵」

(朝鮮/1941/56分/DVD)
監督:安夕影(アン・ソギョン)
原作:朴英照
撮影:李明雨
出演:崔雲峰、文芸峰、金一海
朝鮮人ゆえ志願兵になれないという悩みを持つ青年。誤解から、婚約者との仲がぎくしゃくするが・・。
6月27日(金)
「朝鮮海峡」

(朝鮮/1943/75分/DVD)
監督:朴基采(パク・キチェ)
撮影:李明雨
出演:南承民、文芸峰、金信哉
兄の戦死の報を聞き実家に戻った弟が、両親との諍いから恋人の妊娠を知らぬまま、志願兵として出兵する。


2008年6月7日(土)・8日(日)
映画の揺籃期
「国民の創生」や「散りゆく花」などの名作を生み出し、”映画の父”と呼ばれるグリフィスの歴史大作「イントレランス」と、時代を並行して描くという「イントレランス」の特異な構成を喜劇に取り入れた「キートンの恋愛三代記」。
「イントレランス」Intolerance
(アメリカ/1916/150分/サウンド版/日本語字幕無し/16mm)
監督・脚本:D・W・グリフィス(David Wark Griffith)
撮影:G・W・ビッツァー
出演:リリアン・ギッシュ
人間のイントレランス(不寛容)によってもたらされる悲劇を4つの時代に分けて描いた映画史に残る大作。特にバビロン時代の壮大なセットは圧巻。
「キートンの恋愛三代記」Three ages
(アメリカ/1923/78分/無声/日本語字幕無し/16mm)
監督:バスター・キートン(Buster Keaton)、エディ・クライン
脚本:クライド・ブラックマン、ジョセフ・A・ミッチェル、ジーン・C・ハヴェッツ
出演:バスター・キートン、マーガレット・リーイー、ウォーレス・ビアリー
人間の飽くなき恋愛への情熱を、石器時代・古代ローマ・現代と3つの時代を同時進行させた喜劇。
[料金]   2本目は200円引き
会員900円 学生会員・シニア会員700円


2008年6月14日(土)・15日(日)
小川紳介監督全作品上映その7
ドキュメンタリー映画作家として世界的に著名な小川紳介監督の全作品を順次上映するこのシリーズ。
小川プロは拠点を三里塚から山形へ移行して行く。その移行期に作られた2作品「どっこい!人間節」と、「クリーンセンター訪問記」を上映します。
「どっこい!人間節 寿・自由労働者の街」
(1975/121分/16mm)
製作:小川プロダクション
構成:小川紳介
撮影:奥村祐治
奥村祐治と若いスタッフが横浜・寿町の現場に入って完成させるはずの映画だったが、最終的に小川が構成編集して完成させた。ニヨン映画祭銀賞受賞。なお、スタッフのひとり渡辺孝明は小川プロを去った後「’81寿ドヤ街 – 生きる」を完成している。
「クリーンセンター訪問記」
(1975/57分/16mm)
製作:小川プロダクション
監督:小川紳介
撮影:奥村祐治
小川と親交の深い山形県上山市牧野の木村迪男氏が経営する北方清掃社からの依頼で上山市保険課から若干の資金を得て作られた広報映画。小川は山形の人々への「名刺代わりの映画」と言っていた。
[特別料金]  2本目は200円引き
会員1200円 学生会員・シニア会員1000円 一般(非 会 員)1500円


最初期の日本アニメーション 松本夏樹コレクション
サイレント時代の「手回し映写機」を使っての上映
2008年6月21日(土)・22日(日)
国立近代美術館フィルムセンターの「発掘された映画たち2008」で初上映され話題となっている、現存する中では、日本最古のアニメを、その発見者である松本夏樹氏のご厚意で特別上映。氏がこれまでに収集した他のフィルムも上映しながら発見の経緯やその意義などを解説していただく。今回は、手回し映写機を使っての上映です。めったにないこの機会をお見逃しなく。
「なまくら刀(塙凹内名刀之巻)」
(1917/約2分/35mm)
画:幸内純一

「浦島太郎」
(1918/約2分/35mm)
画:北山清太郎
ほか多数
[特別料金]
会員1200円 学生会員・シニア会員1000円 一般(非 会 員)1500円


2008年6月28日(土)・29日(日)
韓国ドキュメンタリーに見る 労働と社会
30年にわたる韓国女性労働者の闘争を描いた「私たちは風の中に立つ」、韓国の労働現場の問題や争議と、 日本の朝日建設争議や日雇・野宿者運動を、日韓をつらぬく問題として描いた「NoGaDa/ノガダ」。
「私たちは風の中に立つ 韓国・東一紡織労組1972~2006」
(韓国/2006/105分/DVD)
監督:イ・ヘラン
製作:女性映像集団WOM
1972年、韓国の東一(トンイル)紡織の女性労働者は、韓国史上初の女性支部長を選出した。しかし彼女たちを待ちうけていたのは、会社ばかりか、政府・労働組合ぐるみの弾圧だった。78年、糞尿を浴びせかけられ暴力を振るわれた彼女たちの写真は世界に衝撃を与えたが、その後124人が不当解雇された。30年近くが過ぎた2005年、今なお復職闘争を続ける50代になった彼女たちがいた。
「NoGaDa/ノガダ」
(2005/89分/DVcam)
監督:金美禮(キム・ミレ) 
釜山国際映画祭/ソウル国際労働映画祭出品作品
NoGaDaは日本語の「土方」だ。
日本の植民地支配を受けた時から今も工事現場で肉体労働する人を意味する言葉だ。
私の父は建築現場で働く型枠大工だが、現場では「ノガダ(土方)」と呼ばれる。
外為危機が始まった1997年冬、私の父は、すぐ生活危機に直面した。
父は、家を出て野宿者になると言い出した。
私はショックを受け、このドキュメンタリーを撮り始めた。
(金美禮 監督)
[特別料金]   2本目は200円引き
会員900円 学生会員・シニア会員700円 一般(非 会 員)1200円


2008年6月28日(土)・29日(日)
ダグラス・サークの隠れた傑作
おもちゃ会社の社長として成功をおさめながらも家庭においては孤立する男が、元恋人と再会し新たな人生の可能性を夢見る。サークらしいアイロニカルな家庭劇。そして、7月に上映するサークのドイツ時代の音楽映画、『思ひ出の曲』もお楽しみに。
「いつも明日がある」There’s Always Tomorrow
(アメリカ/1955/84分/日本語字幕無し)
監督:ダグラス・サーク(Douglas Sirk)
脚本:バーナード・C・シェーンフェルド
撮影:ラッセル・メティ
出演:バーバラ・スタンウィック、フレッド・マクマレー、ジョーン・ベネット
[料金]
会員900円 学生会員・シニア会員700円


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。