プログラムPROGRAM
2008 8

沖縄映画特集 vol.1
2008年8月1日(金)~5日(火)
灰谷健次郎の同名小説の映画化『太陽の子 てだのふあ』は神戸が舞台。ほかに沖縄をテーマにしたドキュメンタリー映画3本を一挙上映。
「太陽の子 てだのふあ」
(1980/140分/16mm)
製作:太陽の子プロダクション
配給:共同映画全国系列会議
監督・脚本:浦山桐郎
原作:灰谷健次郎
撮影:安藤庄平
音楽:真鍋理一郎
美術:坂口武玄
出演:原田晴美、大空真弓、河原崎長一郎、当山全拡、浜村純
神戸で大衆食堂を営む沖縄出身の夫婦と小学生の娘。そして、その店に集まる人々の暖かい交流と背後に隠された暗い戦争の傷あとを描く。灰谷健次郎の同名の小説の映画化。
「久高オデッセイ」
(2006/68分/DV)
製作:NPO法人沖縄映像文化研究所
監督:大重潤一郎
脚本:伊豆和、宮内勝典
撮影:堀田泰寛
音楽:齋藤理詠
編集:大重生
神戸に居を構える大重潤一郎監督は、沖縄に「沖縄映像文化研究所」を設立し那覇の事務所と久高島(くだかじま)を行き来しながら制作活動を続けている。この作品は2002年1月から島の日常生活を記録したもので、26年間途絶えていた神事イザイホーを支えてきた年中行事がかろうじて健在であり、祖先代々の力が今も息づいている事を確認する。
「反国家宣言 非日本列島地図完成のためのノート」
(1972/65分/16mm)
製作:プロダクション犀 
監督:山崎佑次、川島和雄
撮影:岩永勝敏、秋山洋
編集:大島ともよ
沖縄返還に反対する沖縄青年同盟の若者たち。戦後民主主義の中で民族としての独自性を抹殺され差別されてきた沖縄民族の姿を神戸出身の山崎佑次が記録した。大阪大正区の沖縄人部落から最後に北海道に辿り着き、日本人によるアイヌ民族侵略の歴史に触れ、アイヌ民族復権の動きを描いて日本国内における非日本の姿を浮かび上がらせる。上映プリントは「反国家宣言」とその続編「アイヌ・シタッピリ」を1995年の山形国際ドキュメンタリー映画祭の上映に際し監督自ら再編集したもの。
「沖縄エロス外伝・モトシンカカランヌー」
(2008年修復版/オリジナル1971/90分/DV)
製作:N.D.U.
現在は大阪でドキュメンタリーの創作活動を続ける布川徹郎や、『出草之歌』で久しぶりに復活した井上修らは、60年代末から70年代にかけNDU(日本ドキュメンタリストユニオン)のメンバーとして活躍した。この映画は、コザを中心に、娼婦・やくざや観光客などを描き、今やNDUの伝説的な作品となっている。中でもコザ暴動を遥か以前に予見した黒人街でのMPカー焼き討ち事件のシーンは圧巻だが、オリジナル全長版は行方不明。今回の上映は新たに発見されたテレシネビデオ(音声とラスト部分欠落)に、井上修が残存する音声を付加してできるだけオリジナルに近づけたもの。
[特別料金]   2本目からは200円引き
会員1000円 学生会員・シニア会員900円 一般(非 会 員)1200円


1950年代 懐かし日本の風景無料定員38名会員予約可
正会員および支える会サポーター会員は、優先的に、上映日の一週間前より入場整理券の電話・メール予約が可能です。
日本の原風景を垣間見ることができる1950年代に制作された短編映画の秀作を集めた。
「警視庁物語」「少年探偵団」などの劇映画でも知られる関川秀雄を始め、戦前から活躍する記録映画監督の桑野茂、俳優から監督に転向した社会派の豊田敬太の作品を上映。
2008年8月8日(金)
関川秀雄 監督集2本立て
「川は見ている」

(1956/56分/16mm)
監督:関川秀雄
大阪安治川河畔を舞台に子供たちの生活を描いた劇映画。伊福部昭の音楽が珍しい。
「希望を我等に」
(1955/36分/16mm)
監督:関川秀雄
出演:岸旗江
横浜を舞台にヒロポン中毒の実体を描き、その撲滅を訴える劇映画。
2008年9月19日(金)
桑野茂 監督集2本立て
「日本の麦」

(1952/30分/16mm)
監督:桑野茂
撮影:白井茂
麦の成育過程を描く住友化学工業委託作品。撮影は白井茂。ロンドン国際科学映画会議出品。
「谷間の歴史」
(1954/31分/16mm)
監督:桑野茂
岐阜県丸山ダムの建設記録と湖底に沈む部落、村民を描く。キネマ旬報ベストテン短編第8位。


2008年9月26日(金)
豊田敬太 監督集2本立て
「段々畑の人々」

(1954/40分/16mm)
監督:豊田敬太
急傾斜の段々畑に働く人たちの生活記録。教育映画祭特別賞。映画旬刊ベストテン短編第4位。
「九十九里浜の子どもたち」
(1956/32分/16mm)
監督:豊田敬太
漁村の中学校における長欠生徒への対策をドキュメント風に描いた佳作。キネマ旬報ベストテン短編映画第3位。

《料金》
無料
 
※入場整理券を上映2時間前より配布
※会員は優先的に、上映日の一週間前より「入場整理券」の電話・メール予約が可能。以下、お伝えください。
 ・希望の上映時間(15:30または19:00)
 ・会員番号(正会員または支える会会員証に記載)
 ・会員のお名前

ご予約はこちらまで
 078-754-8039
 info@kobe-eiga.net

なお、入場整理券・予約とも座席確保をお約束するものではございません。


マサラ・ムーヴィー連続上映2 『アルナーチャラム 踊るスーパースター』
2008年8月9日(土)・10日(日)
大富豪の遺児だと知らされた快男児が遺産を狙う悪党相手に奮戦する一大娯楽作。主演はインド映画界のスーパースター、「ムトゥ 踊るマハラジャ」のラジニカーント!
「アルナーチャラム 踊るスーパースター」
(インド/1997/166分/35mm)
監督:スンダル・シー(Sundar C)
脚本:スンダル・シー、“クレイジー”モーハーン 
撮影:センティルクマール
音楽:ディーヴァー
出演:ラジニカーント(Rajinikanth)、サウンダリヤー、ランバー、ヴィス、ラヴィ・シャンドラン
[特別料金]
会員1200円 学生会員・シニア会員1000円 一般(非 会 員)1500円


神戸映画ワークショップ開講記念 『リンダ リンダ リンダ』
2008年8月15日(金)~17日(日)
8月下旬に神戸映画資料館にて、神戸映画ワークショップを開講し、そのゲスト講師のひとりに、山下敦弘映画監督をお迎えするにあたって、監督の代表作「リンダ・リンダ・リンダ」を記念上映します。
「リンダ リンダ リンダ」
(2005/114分/35mm)
製作:『リンダ リンダ リンダ』パートナーズ
配給:ビターズ・エンド
監督:山下敦弘
脚本:向井康介、宮下和雅子、山下敦弘
撮影:池内義浩
美術:松尾文子
音楽:James
出演:ぺ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇、関根史織(Base Ball Bear)、三村恭代、湯川潮音、山崎優子(me-ism)、甲本雅裕、松山ケンイチ、小林且弥、小出恵介、三浦誠己、りりィ、藤井かほり、近藤公園、ピエール瀧、山本浩司、山本剛史
今なお根強い人気を誇るブルーハーツの創成期に生まれた女子高生たちが、文化祭の数日間でブルーハーツの名曲を完全コピー、思ってもみなかった輝きを放っていくバンド・ムービー。ユーモアとせつなさをちりばめながら、つたなくも、いとおしい青い春の達成感をリアルに切り取っていく、笑って泣ける青春映画の傑作である。
監督は、その類い稀なるコメディセンスと的確な演出力で各方面にじわじわとマニアを増殖させている若き天才・山下敦弘。『どんてん生活』『ばかのハコ船』『リアリズムの宿』と “愛すべきダメ男を描かせたら日本一”と評されていた山下だが、『リンダ リンダリンダ』では一転して、ハイティーンの女の子たちの心の微妙な揺れや高揚を繊細かつ明朗に活写。この後、監督した『天然コケッコー』(2007)で更に大ブレイクし、山下ファンが増殖中である。
[特別料金]
会員900円 学生会員・シニア会員700円 一般(非 会 員)1000円


幻のフィルムに観る“在日”
2008年8月29日(金)・30日(土)
大阪にある数少ない韓国系の民族学校、白頭学院建国学校の創立60周年を記念して制作された作品を中心に、日本統治時代の朝鮮や、解放後のニュース映画などを一挙に上映します。
「幻のフィルムでつづる 建国の60年」
(2006/30分/DV)
製作:白頭学院建国60周年記念実行委員会、白頭学院建国校友会
演出:高仁鳳
構成:安井喜雄
編集:森川法夫
撮影(現代の部分):高仁鳳、森川法夫
ナレーション:郭允美
音楽:金智子
聞き取り:金順玉
2005年に発見され話題となった戦後の白頭学院を写した16ミリ・フィルムをもとに、学院の創立60周年記念式典で上映するために新たな取材を加えて完成させたもの。中之島公会堂で開かれた解放2周年記念行事や朝鮮陸上競技など南北分断前の映像など、在日の記録としても見応え十分である。
「解放ニュース」
(朝鮮/1946/計30分/35mm/日本語字幕無し)
民衆映画株式会社が製作した解放後のニュース映画で韓国内にも存在しなかった珍しい作品。このフィルムは当館館長が発掘し、韓国映像資料院に提供して復元。解放60年を記念してソウルのリアル・ファンタスティック映画祭や山形国際ドキュメンタリー映画祭でも上映された。
「TYOSEN」
(1938/15分/35mm/英語版・日本語字幕無し)
東京を発って鉄道で朝鮮半島を通過し満州に至るまでの名所や風物を紹介する戦前の海外向け観光PR映画。この作品はその途中の朝鮮の部分を独立させたもので、海外向けのため英語のナレーションが入る。
[特別料金/3本立て/入れ替え無し]
会員1200円 学生会員・シニア会員1000円 一般(非 会 員)1500円


日韓共同ドキュメンタリー『あんにょん・サヨナラ』
2008年8月28日(木)~8月31日(日)9月1日(月)・2日(火)
日韓両国はどうやって過去に向き合うべきか。二国間の傷を癒し、争いを超えて真の友人になるための方法は何か。日韓のスタッフが共同で制作したドキュメンタリー。
「あんにょんサヨナラ」
(2005/日本・韓国/107分/DV)
制作:「あんにょん・サヨナラ」制作委員会
監督:キム・テイル
共同監督:加藤久美子
撮影:ジヘ、高部優子
音楽:チョン・ヘウォン
出演:イ・ヒジャ、古川まさき
李熙子(イ・ヒジャ)さんの父はアジア太平洋戦争中に日本軍に徴用され、中国で戦死した。日本政府から何の通知もなく、彼女が父の死の詳細を知るのは90年代に入ってからのこと。その上、父は遺族の知らないうちに靖国神社に合祀されていた・・。
日韓両国はどうやって過去に向き合うべきか。二国間の傷を癒し、争いを超えて真の友人になるための方法は何か。日韓のスタッフが共同で制作したドキュメンタリー。

《料金》
一般1200円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。