プログラムPROGRAM
2009 8

映画の伝道師 淀川長治生誕100年 Part2
2009年7月31日(金)〜8月2日(日)
2009年は、神戸が生んだ偉大な映画伝道師、淀川長治さんの生誕100年にあたります。
淀川さんが愛した映画6作品を特集上映します。
「キートン将軍(キートンの大列車追跡)」The General
(アメリカ/1926/サイレント/16mm)
監督:バスター・キートン、クライド・ブラックマン 原作:バスター・キートン
脚本:アル・ボースバーグ、チャールズ・スミス 撮影:デイヴ・ジェニングス
出演:バスター・キートン、マリアン・マック、グレン・キャベンダー、ジム・ファーレイ
南北戦争時代。機関士キートンが北軍スパイに奪われた恋人を乗せた機関車を奪回せんと大活躍する。
[淀川さんの言葉]
 サイレント映画の列車活劇喜劇のベスト・ワンこそは1926年作『キートンの大列車追跡』(初公開時の題名は『キートン将軍』)The General。まずこれくらいキシャがキカンシャが線路がポイントが枕木が木橋が使用され効果を100パーセントにあげた名作も他になかろう。(「淀川長治集成2」芳賀書店)
 
 
「黄金狂時代」The Gold Rush
(アメリカ/1925/サウンド版/16mm)
製作・監督・脚本・音楽:チャールズ・チャップリン 撮影:ローランド・トザロー
出演:チャールズ・チャップリン、ジョージア・ヘイル、マック・スウェイン、トム・マーレイ
 
ゴールド・ラッシュに湧くアラスカ。一攫千金を夢みる探鉱家のチャーリーは山小屋で指名手配犯と遭遇する…。空腹のあまり靴をゆでて食べるシーンはあまりにも有名。
 
[淀川さんの言葉]
『黄金狂時代』はチャップリンの最高傑作ですね。これまで見た三万三千本の映画のなかから、私はチャップリンの『黄金狂時代』を最高の一本に選びますよ。(「映画は語る」中央公論社)
 
 
「吸血鬼」Vampyr
(ドイツ・フランス/1931/サウンド版/ 16mm)
監督:カール・テホ・ドライヤー 脚本:カール・テホ・ドライヤー、クリステン・ジュル
音楽:ウォルフガング・ツェラー 撮影:ルドルフ・マテ
出演:ジュリアン・ウェスト、アンリエット・ジェラール、モーリス・シュッツ
 
[淀川さんの言葉]
「吸血鬼がどんなことするか。村で死人が出た。死人が出て、棺桶を持って、お葬式にいく。上から撮ってます。外国の、デンマークのお葬式は、棺桶の真ん中が開いてます。ガラスが。上から撮ったら、死人の顔が見えます。それを運んでいきます。吸血鬼がのり移ってるんですね。カッと目を開きます。怖いなあ、その開き方が、上から撮ったら。担いでる人は、死人が目を開いたと分からない。そういう恐怖を、カール・ドライヤーは、映画の中で、これが映画だいう感覚でつくる人です。」
「皆さんに言っときたいのは、ほんとの映画の作家いうのは、こういう人。映画の芸術家ですね。ほんとの作家ですね。」
(「淀川長治映画塾」講談社文庫)
 
  

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般:1200円 学生・シニア:1000円
会員一般:1000円 会員学生・シニア:900円

《割引》
2本目は200円引き


新作ドキュメンタリー「東洋宮武が覗いた時代」
  同時上映:アカデミー賞作品「ビザと美徳」

2009年8月7日(金)~11日(火)
撮った。生きた。戦った。
かつてアメリカに日系人強制収容所があった—
第二次大戦中、アメリカ政府は市民権を持つ日系人、在米日本人を強制的に収容所に押し込めました。その収容所に禁じられたレンズを隠し持ち、手製のカメラを完成させて、その実態を写した写真家がいました。東洋宮武、その人です。そして東洋と親交があった20世紀を代表する写真家アンセル・アダムスとエドワード・ウェストン。彼らの作品と共に、東洋の500枚の写真で証言しながら、収容所の真実と日系人の歴史を描く感動のドキュメンタリーです。
「東洋宮武が覗いた時代」Toyo’s Camera
(2008/日米合作/98分/HD[DVCAM上映])
製作:Toyo’s Camera Film Partners(UTB フイルムヴォイス 東北新社 米国日本ハム)
制作:UTB+フイルムヴォイス
企画・脚本・監督:すずきじゅんいち 
撮影監督:小渕将史(UTB)、本間秀幸(日本部分) 
編集:水原徹 音楽:喜多郎
出演:アーチーミヤタケ、ダニエルイノウエ、ジョージタケイ、渡部昇一、細江英公、ジミーサコダ、スティーブンオカザキ
 このドキュメンタリーに写る約500枚の写真にアンセル・アダムスとエドワード・ウェストンの作品も登場。風景写真の第一人者として有名なアダムスが写したものは収容所の人物主体の写真でした。東洋が師と仰ぐウェストンは8×10インチの大判カメラを使用する先鋭的な写真家。収容所でのふたりの感動的な出逢いは、我々に深い感銘を与えます。監督はアメリカ在住のすずきじゅんいち。初のドキュメンタリー作品として注目が集まっています。
[公式サイト]
 
 
 
同時上映
「ビザと美徳」Visas and Virtue

(1997/アメリカ/26分/35mm)
制作:シーダー・グローブ・プロダクション
配給:福岡アジア映画祭実行委員会
監督:クリス・タシマ 脚本:クリス・タシマ、トム・ドナルドソン 
原作:ティム・トヤマ 撮影:ヒロ・ナリタ 美術:ユキ・ナカムラ 音楽:スコット・ナガタニ 編集:アーヴィン・パイク
出演:クリス・タシマ、スーザン・フクダ
 1940年、リトアニアの領事・杉原千畝は、ナチスから逃れようとした2000人のユダヤ人のためにビザを発行しました。1枚のビザが家族全員の渡航を許可したため、実際には6,000人以上もの命を救った杉原は「日本のオスカー・シンドラー」と呼ばれ、今なお多くの人々の間で語り継がれています。この作品は、杉原領事が苦悩の末、家族や自分の外交官人生を危険にさらして日本政府に逆らい、ビザを発行し続けた1ヶ月を描いた事実に基づいた短編劇映画です。
1998年の第70回アカデミー賞で見事、短編実写賞に輝きました。
 
 

《料金》

「東洋宮武が覗いた時代」
一般1300円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円


セット券(「東洋宮武が覗いた時代」+「ビザと美徳」)
一般1800円 学生・シニア1500円
会員1500円 学生会員・シニア会員1400円


ヒマラヤ国際映画祭 WEST JAPAN 2009 アンコール in 神戸
2009年8月28日(金)〜9月1日(火)
詳しくは[公式サイト]へ
 
 
ヒマラヤの尽きせぬ魅力、価値を、ヒマラヤ関連の世界各国の秀作ドキュメンタリー映画を通じて世界の人々に伝えることを趣旨に始まった国際映画祭 − それが「Himalaya Film Festival (ヒマラヤ国際映画祭) 」です。
  
 
主催:NPO法人ヒマラヤ・アーカイブ・ジャパン、神戸映画資料館


これまでのプログラム|神戸映画資料館

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