プログラムPROGRAM
2012 11

全篇新長田ロケ 「ペデストリアンデッキの対話」初公開
2012年11月2日(金)~6日(火)
神戸映画資料館は、2008年より未来の映像文化の担い手を育成することを目的とした「神戸映画ワークショップ」を開講し、その一環として若手監督を招いて映画製作にも取り組んでいます。
『ペデストリアンデッキの対話』は、『MISSING』(監督:佐藤央)に続く第二弾。全篇新長田ロケでつづる現代の不条理悲喜劇の誕生です。
 
初日の上映終了後、唐津正樹監督の舞台挨拶を予定しています。
  
「ペデストリアンデッキの対話」
(2012/50分/HD[ブルーレイ上映])
製作:神戸映画資料館 
監督・脚本:唐津正樹
撮影・照明:岡山佳弘 
録音:中島雄介 美術:塩川節子 
制作:佐藤麻衣子 助監督:大岸智博
音楽:山川亜紀
出演:丹羽実麻子、田邊正和、岩谷美花、谷五郎 ほか
 
取り立てて目立った人生を送ってこなかった千田は、ふと「自分の店」を持ちたいと思い、不動産屋で働く奥村に協力を仰ぐ。テナントの入居契約を取り付けた千田だったが、想像のみで決意した出店に途方もない現実を見る。それから2人は多少ちぐはぐながらも、出店への可能性をさぐるが…。
  

唐津正樹
1979 年京都生まれ。大阪電気通信大学在学時に大森一樹監督の研究室で映画を学ぶ。卒業後、インターネットTV 会社勤務、一年間で40 本近くの映像を制作&配信。神戸ビエンナーレ(2007/2009 年)やハーバーランドFamilio 内イベントにおいて過去に映像制作&記録を担当。また新長田神戸映画資料館で2008 年より4 度にわたるワークショップのおいて講師を務める。現在は京都にあるKyotoDU においてパナソニック映像機器のコーディネート業務に従事。

試写会でお寄せいただいたご感想
自分が知っている街並みがロケ地だったのもあって、凄く親しみやすい作品だなと思いました。今の自分にピッタリな内容。(20才・女性)
 
常に不穏な空気に満ちている点が良かった。それは街の印象にもつながる。出ている登場人物もまともだと思っていた人が少しずつズレている印象。(38才・男性)
 
なんなんでしょう このジャンル……。コメディのような社会派のような人間ドラマのような。なんなんでしょう……(51才・女性)
 
私も、やりたい事がたくさんあるにも関わらず空回りしたり、体力的にも精神的にも疲れたりとか、やるせない事があります。周りの気持ちを考えられなくなったり、突っ走ってしまったりと、そういうところが色々と気づかされるような作品だったんじゃないかなと。(18才・女性)
 
ひとことで言って荒けずりな作品だなと。けっして悪い意味だけでは無いんで評価がムズカシイんですが…。(34才・男性)
 
現代の若者の不安と無気味さを感じさせる。(62才・女性)
 
おもしろい題材だと思うが、描ききれていたのかどうか。(29才・男性)
 
生きる事に自信のない人間のなさけなさ。やはり、目的をしっかり持って生きなければいけない事が判りました。(79才・女性)
 
訳がわからん。単なる若者の行動ととらえることもできず消化不良です。(20才・女性)
 
OLさんの心の動きがよめました。その後の起業の様子を知りたいです。(65才・女性)
 
不思議な作品。屈折した世相を映し出しているか。(55才・男性)
 
続きがすごく気になります。予想外のラストでした。でも、とてもリアルで説得力があります。(女性)
 
主人公と相手役の心の「かっとう」が上手く表現できていた。(男性)

《料金》
特別鑑賞券(ドリンク&お菓子付き)1000円
映画のみ 700円
※学生、および神戸映画資料館会員は上記価格の200円引きにてご鑑賞頂けます。


ハンス・ユルゲン・ジーバーベルク ドイツ三部作
11月3日(土)・4日(日)、9日(金)〜11日(日)
 
1970年代、ニュー・ジャーマン・シネマの時代に発表され、注目を集めたジーバーベルクの「ドイツ三部作」を一挙上映。ナチズムを生み出した近代ドイツを前衛的手法で描き出し、ドイツ国内では激しい議論を呼ぶ一方、国際的な評価を得た作品群である。
 
「ルートヴィヒII世のためのレクイエム」
Ludwig- Requiem für einen jungfräulichen König
(ドイツ/1972/134分/DVCAM上映)
監督・脚本:ハンス・ユルゲン・ジーバーベルク
撮影:ディートリヒ・ローマン
出演:ハリー・ベア、ペーター・ケルン、ペーター・モーラント、ギュンター・カウフマン
 
バイエルン国王であり、リヒャルト・ヴァーグナーのパトロンとしても知られるルートヴィヒII世(1845-1886)。ヴァーグナーのオペラを髣髴とさせる書き割りセットを背景に、ルートヴィヒII世をめぐる夢幻的な物語が、ヴァーグナーからヒトラーを結ぶドイツ史を照らし出す。既存の映画美学を否定する「未来の音楽としての映画」として制作された「ドイツ三部作」の第一作。
   
「カール・マイ」Karl May
(ドイツ/1974/182分/DVCAM上映)
監督・脚本:ハンス・ユルゲン・ジーバーベルク
撮影:ディートリヒ・ローマン
出演:ヘルムート・コイトナー、クリスティーナ・ゼーダーバウム、ケーテ・ゴルト、アッティラ・ヘルビガー
ドイツの冒険小説家カール・マイ(1842-1912)の半生を描いた「ドイツ三部作」の第二作。ネイティヴ・アメリカンと白人の友情を描いた「ウィネトウ」を始め、映画化されたマイの小説は多数。ヒトラーも熱烈な愛読者だったと言われる。マイを演じるヘルムート・コイトナーは、40年代から50年代にかけてのドイツを代表する映画作家。クリスティーナ・ゼーダーバウムなど、ナチ時代のスター俳優も出演。
 
「ヒトラー、あるいはドイツ映画」
Hitler – Ein Film aus Deutschland
(ドイツ/1977/410分/DVCAM上映)
第1部「盃」(91分)
第2部「ドイツの夢」(126分)
第3部「冬物語の終わり」(93分)
第4部「われわれ、地獄の子どもたち」(100分)
 
監督・脚本:ハンス・ユルゲン・ジーバーベルク
撮影:ディートリヒ・ローマン
出演:ハインツ・シューベルト、ペーター・ケルン、ヘルムート・ランゲ、ライナー・フォン・アルテンフェルス
 
「ドイツ三部作」の掉尾を飾る最大の問題作。ヒトラーおよびドイツ史をめぐるさまざまな視覚的、音楽的、言語的要素のシュールレアリスティックな混合。ジーバーベルクの目指す「ブレヒト+ヴァーグナー」の壮大な実験であると同時に、「未来の音楽としての映画」の完成形を模索する。スーザン・ソンタグから「20世紀最高の芸術作品かつ史上最高の映画」と激賞された。
 
 
共催:ドイツ文化センター・大阪、神戸映画資料館
協力:アテネ・フランセ文化センター

《料金》入れ替え制
1プログラムあたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 会員学生・シニア900円

《割引》
2プログラム目は200円引き


井上陽一の活弁映画シリーズ 8「江戸怪賊伝 影法師」
2012年11月18日(日)13:30〜
 
活動写真弁士・井上陽一さんが最も得意とする阪妻(バンツマ)の時代劇をご堪能ください。
「江戸怪賊伝 影法師」
(1925 / 70分[18fps]/ サイレント / 16mm)
東亜マキノ等持院
監督:二川文太郎 原作・脚色:寿々喜多呂九平
撮影 : 田中重次郎
主演:阪東妻三郎、マキノ輝子
 
江戸の街に現れた怪賊は影法師と人々に恐れられたが、人情深く貧しい者たちの味方だった……。時代劇に恋愛とヒューマニズムを持ち込むことにより、斬新な映画として大ヒットした。主演の阪東妻三郎は、阪妻(バンツマ)の愛称で親しまれた人気俳優で田村高廣ら田村三兄弟の父である。
本来は前後篇完結の映画だが、残存するフィルムは前半のみ。上映プリントは70年代に埼玉のコレクター大橋正英から大阪の森田留次(明星映画社、日本映画保存協会)、そしてプラネット映画資料図書館へと引き継がれた16ミリフィルムに、欠落部を京都のコレクター田渕宇一郎が入手した9.5ミリプリントから補完したもの。9.5ミリフィルムのブローアップにあたっては、ボレックス撮影機とパテベビー映写機を連結した自作のコマ撮り装置で行ったのでオプチカルプリンターのようにレジ(レジストレーションの略)が取れず、若干のブレが生じ、フォーカスも甘いですがお許しのほどを。 

井上陽一(弁士)
いのうえよういち。1938年、姫路市生まれ。浜星波に師事。60年から活動写真弁士として活躍。02年「OSAKA映像フェスティバル」で『雄呂血』、04年の京都映画祭では『特急三百哩』『からくり蝶』、08年には『実録忠臣蔵』、11年大阪歴史博物館の「浪花の映画事始め」で『僕らの弟』を名調子で活弁するなど、各地の映画祭等で活躍。関西唯一の現役弁士である。

《料金》
一般1800円 学生・シニア1500円
会員1500円 学生会員・シニア会員1300円


[貸館]映画『ひろしま』 神戸上映会
2012年11月16日(金)・17日(土)・19日(月)・20日(火)

『ひろしま』
1953年/104分/モノクロ/ブルーレイ上映
 
出演:月丘夢路、岡田英次、加藤嘉、山田五十鈴 
製作:伊藤武郎 監督:関川秀雄 脚本:八木保太郎 音楽:伊福部昭 撮影:中尾駿一郎・浦島進
監督補:小林大平 助監督:熊井啓
 
58年の時を経て、幻の映画が奇跡の再公開!
広島の市民ら約8万8千人が出演し、原爆が投下された直後の惨状を再現した―

 
自らも広島で被爆した教育学者・長田新が編纂した文集『原爆の子~広島の少年少女のうったえ』を、日本教職員組合が映画化を決定し、八木保太郎の脚色により映画化された本作は、日教組に参加する広島県教職員組合と広島市民の全面的な協力の下で制作され、多数の広島市の中学・高校生と父母、教職員、一般市民等約8万8500人が手弁当のエキストラとして参加した。その中には原爆を直接経験した者も少なくなかったと伝えられている。映画に必要な戦時中の服装や防毒マスク、鉄カブト等は、広島県下の各市町村の住民から約4000点が寄せられた。『ひろしま』で描かれる原爆投下後の圧倒的な群衆シーンの迫力は、これら広島県民の協力なくしてはあり得なかっただろう。
 
東宝出身で戦後独立プロに転じた監督の関川秀雄は、原爆が投下された直後の地獄絵図の映像化に精力を傾け、百数カットに及ぶ撮影を費やして、克明に原爆被災現場における救護所や太田川の惨状等の阿鼻叫喚の修羅場を再現した。
 

お問い合せ:黒潮物語元気な子の会
       小林 090-8961-5019  E-MAIL pon_9640@ybb.ne.jp

《料金》 大人¥1500(税込) 中高生¥900(税込)
小学生以下無料


急遽上映決定!「子宮に捧げる愛の詩・女体拷問研究所の真実」
2012年11月24日(土)〜30日(金)[水・木曜日休館]

 
噂のアダルトメーカーの大ヒット作品
「女体拷問研究所」シリーズが遂に映画化!
全ての女性に捧げる愛とファンタジー。

 
 
「子宮に捧げる愛の詩・女体拷問研究所の真実」
(2012/84分/XDCAM[ブルーレイ上映])R18+
STUDIO GREAT HOPE 作品
配給:STUDIO GREAT HOPE +生駒隆始
監督:Koolong
プロデューサー:生駒隆始、SHIN-ICHI
脚本:淵井正文、SHIN-ICHI
撮影:渡辺厚人 音楽:石山理
出演:飛坂光輝、江波由実子、姫川亜由美、塩入正章、大塚真弓、木内あきら、村野武範
 
女性に対してトラウマを持つ主人公テツヲ。そんな彼の前に、突然現れた女捜査官・鈴と女体拷問研究所の所員達。テツヲは「愛する」ことが出来ない。愛が生まれそうになると身体が拒絶してしまうから……。
AVスタッフ&キャストと映画スタッフが本格的なチームを組んで製作、女体オーガズムAV作品の鬼才Koolongが映画監督に初挑戦。これまでありそうでなかった注目の青春エロス作品だ。
 
[公式サイト]
 

《料金》
一般1500円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。